モリタ宮田工業 オフィスデザイン 受付

モリタ宮田工業

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    共に創り、共に成長する
    未来へ向けて持続可能な共創オフィスの構築

企 業 : モリタ宮田工業株式会社
業 種 : 製造業
概 要 : オフィス移転
所在地 : 東京都
規 模 : 1385㎡ / 419坪
完 了 : 2018年

  • 変わらないモノづくりへの姿勢、変わっていくモノづくりの現場

100年を超える歴史を持つモリタ宮田工業株式会社。消火器の老舗メーカーであり、今もなお質の高さで消火器・消防車の業界トップシェアを獲得し続けているグループ企業だ。
企業理念は、心を込めたモノづくりと、絶えざる技術革新によって「安全で住み良い豊かな社会」に貢献し、真摯な企業活動を通じて社会との調和を図ること。
100年企業―――起業して10年生存できる企業が全体の5%程度とされている中―――この100年という数字には、社員には重みがあるようだ。
今回のオフィス移転には、「すべての人々が安心して暮らせる安全な社会のために、自らも健康的なモノづくりができる環境をづくりを行う」という想いがあった。
また、歴史を重ねてきた企業ならではの「守るべき昔からの伝統」と、現代の世の中のニーズに合わせ「変えて行くべき新たな習慣」とを整理する機会でもあったようだ。

  • 課題抽出からゴールの設定を行い、到達するためのオプションと実行計画をまとめる(GROWプラン方式)

働き方改革の骨子は、「何をどのように改革すべきかを取りまとめる」ことにある。これは1社1社、全てが異なる。
巷によくある改革は、ITを変えたり、会議室等の利用状況を増やしたりするものが殆どである。
これは最終的な出口が「モノを売ること」にあるメーカー主導の改革だからであり、どうしてもこのようにならざるを得ない。
改革をすることがミッションではなく、自分たちの製品を売ることがミッションなのである。だからどうしても違和感を覚えずにはいられない。
我々コンサルタントがこれらと全く異なる理由はここにある。
我々のミッションはモノを売ることでもなく、自分たちのやりたいデザインを作ることではない。
ましてや改革がゴールではない。改革が出来るスタート地点にまずは持ってくることだ。

我々が依頼を受ける際には、必ずと言って良いほど「良いオフィスを作ってください」と頼まれる訳だが、
これは「良い会社にしたいので、手伝って欲しい」と言われたと受け止めている。
つまり会社を正しい方向に成長させていくために、道筋づくりを手伝って欲しいと言われているのだと理解している。
そのために、1社1社異なる企業の文化や風土を含め、依頼主の企業がどのような企業であるのかを理解し、
また現在どのような習慣を持った働き方をし、業界の通常と依頼主の企業があるべき働き方の比較検討を行う。
こうすることで、次第にプロジェクトのゴールが見えてくるのだ。

今回もモリタ宮田工業の《企業文化と働き方》の分析をしていく。

まず我々が最初に着手したことは「現地調査」である。
数日かけて実際の「オフィスの定点観測」を行い現地の様子を探る。【画像①:定点観測の様子】
同時に社員に対し、「WEBアンケート」を通じ調査を行う。このアンケートには大きなポイントが2つある。
1つは部署や職階に分けて、ヒアリングする内容を変え、それぞれを必要な項目で分析していくことである。【画像②:アンケート調査分析資料】
次に現在の働き方において「施設の満足度」について調査することである。
「何が必要とされていて、何が足りないか」などを分析していくことである。
もちろん我々が見つけるのは、メーカーが行う会議室の数など物質的な調査ではない。
「どんな働き方をするにあたって、何が、どんな機会が、アクションが足りないか」を見つけるのだ。

これにより、まずは働き方改革の原点となる課題の抽出を行っていく。
これらは全て、「現在について」の調査である。
GROWプランにおける、R【リアリティ】の調査、出発点の明確化である。
どんなものでもゴールを決めるには、まずは出発点がどこかを知ることが欠かせない。
100M走なのか、マラソンなのか、これだけで走り方は全く異なるのは明白だ。
しかし皆、働き方改革やオフィスづくりにおいて、これを明確にせずに走る。だから失敗するのだ。

上記調査を行い、レポートし、これを持って経営陣と話し合いの場を設ける。
その際《ワークモード評価》を行い、現状の働き方と目指すべき働き方の提案を行う。
施主は、まずは耳を傾けてくれれば良い。
ここで、目指す将来に向けて「何を改革すべきか」は、我々の方から提案する。
施主はこれに対し、「YES・NO」といった反応を示してもらうだけだ。

今回の《ワークモード評価》において、現状オフィスは『協働、学習』環境型のオフィスということが分かった。【画像③:ワークモード評価図面】
デスクワークにおける個人タスクを中心としながら、会議やセミナーなどの協業を行いながら進めていく業務に向いているオフィスである。
メーカーに多いタイプのオフィスであり、これはいかに個人商店化せずに、形式知を社内の中で蓄積していけるかが重要となる。
コミュニケーションの活性化や製販一体となって協業を行う働き方などがポイントとなる。
同時に各ワークモードにおいても、働き方にどのような特徴があり、それぞれどんな要素が足りないかを分析したものをレポートした。
『集中』環境における特徴と問題点。『協働』環境における特徴と問題点。『学習』環境における特徴と問題点。『交流』環境における特徴と問題点。
これらを促すための配慮と仕組み、機能性向上に対する場のあり方などの改善方法の提案を行い、プロジェクトメンバーと議論を行った。【画像④:ワークショップの様子】
こうしたセッションを行うことで、次第に目指すゴールを明確に設定していく。GROWプランにおける、G【ゴール】の策定である。
これが完成する頃には、経営陣の期待度は上がる。皆が働き方の改革に前のめりになり、自分事となって夢中になっていくのだ。【画像⑤:移転元プラン分析&コンセプトシート】

そして導き出した今回の目指すべき働き方の姿は以下となった。我々だけでも、トップダウンで一方的に決めたのではない。
経営陣と話し合いながら、プロジェクトチームとコンセンサスを取りながら、「皆で導き出していった」ような、そんな充実感がある。

結集

~ 共に創り、共に成長する…
未来へ向けて持続可能な共創オフィスの構築 ~

そしてこれから更に100年、大切にしたい「企業理念」もそれをベースに皆が取り組むべき姿勢もしっかりと共有出来た。

企業理念   :心を込めたモノづくりと、絶えざる技術革新によって「安全で住みよい豊かな社会」に貢献し、真摯な企業活動を通じて社会との調和を図る

取組むべき姿勢:すべての人が安心して暮らせるための安全な社会/ 健康的なモノづくり空間
全員参加により仲間を感じ、心をひとつにすることで生まれる創造性、行動力

モリタ宮田工業 オフィスデザイン 定点観測の様子

【画像①:定点観測の様子】

モリタ宮田工業 オフィスデザイン アンケート調査分析資料

【画像②:アンケート調査分析資料】

モリタ宮田工業 オフィスデザイン ワークモード評価図面

【画像③:ワークモード評価図面】

モリタ宮田工業 オフィスデザイン ワークショップの様子

【画像④:ワークショップの様子】

モリタ宮田工業 オフィスデザイン 移転元プラン分析&コンセプトシート

【画像⑤:移転元プラン分析&コンセプトシート】

モリタ宮田工業 オフィスデザイン レセプションエリア

レセプションから奥へ進むと、壁を斜めにずらし広々と見せた来客用エリアが現れる。
通路の壁はアクセントでコーポレートカラーを使用してモリタ様らしい雰囲気に。

モリタ宮田工業 オフィスデザイン オープンオフィス

このオフィスで働いている人の顔を一度に見渡すことができる開放的なオープンオフィス。
コーポレートカラーの赤を使った活気のあるコミュニケーションエリアがすぐ近くに隣接。

  • 賑わいのあるカフェラウンジ

社内にカフェのようなラウンジ空間を設けた。気持ちを切り替えらるように、
ナチュラルな木の雰囲気にグリーンをプラスした他の部屋とは違うカラーリングとなっています。
そして、自動販売機やコーヒーマシンを設置し、ロッカールームも隣接しているため、
自然と人が集まってくるような仕掛けづくりがされた空間となっています。
執務空間とは離れた位置にあることも、息苦しさを感じることなく過ごしてもらうためのポイントです。

ワークモード

SOCIALIZATION │ 交流

キッチンスペース

気分を変えてリフレッシュすることができます。
質より量の会話で円滑な人間関係の構築を促し、
お互いを知るため、何かのコトを共有するきっかけの場となります。

モリタ宮田工業 オフィスデザイン キッチンスペース
  • 応接室

来客エリアから一番近い個室の会議室です。
来客対応だけではなく、社内の重要な会議にも最適です。
ホワイトボードだけではなく、モニターなどの設備が充実しています。

ワークモード

COLLABORATION │ 協働

戦略会議室

必要な情報が瞬時に映せ、話し合いの記録が
リアルタイムに残せる仕組みがあります。
分析・検証を繰り返しながら、方向性を決定づける
慎重さが求められる会議を、落ち着いて開催できます。

モリタ宮田工業 オフィスデザイン 応接室

Communication Area

  • ミーティングルーム

全面にホワイトボードを貼り、簡単に動かせる机と椅子を配置しました。机と椅子は、用途にあわせて自由に形や向きを変えることができる、柔軟性に富んだミーティングスペースとなります。
狭い空間ながらも閉塞感や圧迫感を感じないよう、一部分がガラス張りになっています。反対に、執務空間からも中の様子が見えることで、他社の空間の自由な使い方に刺激を受けることでしょう。

モリタ宮田工業 オフィスデザイン セミナールーム
モリタ宮田工業 オフィスデザイン ワークショップ

ワークモード

ワークモード

FOCUS │ 集中

セミナールーム

顧客情報、マーケティングや戦略を
現場と共有するためのスペースです。
イノベーションを生む改革づくりの
レクチャーを行うことができます。

LEAN │ 学習

ワークショップ

協業作業(OJT)によるノウハウの共有・伝達を行うことができます。
チームの作業分担やプロセスを明確化し、
ワークやタスクを整理するスペースとなります。

  • スタンドミーティング

全面がホワイトボードで、ハイカウンターと軽量のハイチェアを設置しました。
立っていても座っていても目線を合わせて話すことができます。
軽く腰掛ける程度、または立ったまま、といったクイックなミーティングにも適しているスペースです。

  • ミーティングブース

執務空間から見ると存在は確認できるものの、少し奥に入ったところにあり、集中作業に最適です。
また、席の形状が通称ファミレスブースとも呼ばれる形状になっているため、
緊張感なくリラックスして行うミーティングにも利用することが可能です。

モリタ宮田工業 オフィスデザイン スタンドミーティング
モリタ宮田工業 オフィスデザイン 集中ブース

ワークモード

ワークモード

FOCUS │ 集中

評価会議

上司と部下のフィードバックに活用できます。
社員の見識を増やす気づきの機会を設けることで、
人財・能力開発を強化できる場となります。

LEAN │ 学習

集中ブース

目線のはずれた場所で、邪魔されることなく
一人で集中作業をすることができます。
適度な雑踏の中で集中とリラックスを両立し、
自分に向き合うことで効率アップが期待されます。

  • 作業スタジオ

手前のオリジナルの電動昇降作業台は、目的に応じた異なる動作や
人それぞれの体格にあわせて、簡単に高さを変更することができます。
切り貼り作業や、封入・封緘作業なども、負担なく行うことができます。
また、ストックやパンフレット棚をこのエリアに集約することで、
自然と人が集まるようなスペースになりました。

ワークモード

SOCIALIZATION │ 交流

多目的スペース

コピーエリアや作業台などを集約し、
小物を共有することで無駄をなくし
パーソナルスペースを確保します。
また、場を共有することで
たまたま人が集まり会話が生まれます。

モリタ宮田工業 オフィスデザイン 作業スタジオ
モリタ宮田工業 オフィスデザイン カフェラウンジ
  • 企業風土に合わせたこれからの働き方

家と会社というメリハリだけに留まらず、一日に何時間も過ごす会社の中での過ごし方は重要です。
時間だけではなく場所で区切り、さらにはその場所ではどういうことが起こるのか、
ということを、《ヒトコトバ®》のもと、モリタ宮田工業様のスタッフへの想いと共に、
企業風土に合わせたこれからの働き方が生まれるようご提案させて頂きました。