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2017/11/16
【ホテル】MOXY OSAKA HONMACHI商業施設

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グローバルかつミレニアル世代へ

新たなコミュニケーションのプラットフォーム

 

▶大阪ミナミをローカル色として展開

 2014年マリオット・インターナショナルの新たなブランドとしてミラノからスタートしたMoxy Hotels。アジアパシフィック進出の最初の場所として、ここ大阪と東京が選ばれた。主要ターゲットはグローバルで、出来るだけ宿泊費を節約しアクティビティにお金を使いたいミレニアル世代の旅行者と、時間や場に囚われない働き方をしたいノマドワーカーだ。

 当ホテルにおける1番のデザイン的特徴はブティックホテルというコンセプトの下、"Playful & Exiting"をテーマにその土地の魅力であるローカル色を展開することにあった。ここ大阪本町はビジネスエリアでありながらも、ショッピングやグルメの街として賑わいのある難波や心斎橋に程近い。MOXYらしさは大阪の繁華街、いわゆる『ミナミ』の要素を前面に打ち出すことでスタートした。

 

▶グローバルかつミレニアル世代が集えるシーンの提供

 本プロジェクトはオフィスビルからのコンバージョンである。エントランスから続く2層吹き抜けのロビーが他のMOXYとも異なる空間的な特徴であり、ここを利用するゲストが集うバーやラウンジ、ゲームコーナーやミーティングルームといったパブリックスペースとすることにした。当初ブランドマニュアルでは細かなゾーン設定が求められていたが、我々はゲストの潜在的ニーズを考え、日中は観光でもビジネスでも、また一人でもグループでも、その時ごとの人数や目的に合わせて『利用するゲスト側が場を選べるように』、出来るだけ街中にある"park"や"open square"ように、使い方が固定概念に囚われないような居心地の良い自由な空間づくりを目指した。結果、多国籍な人種が一人でも誰とでも、いつでもどこでも違和感なく共存できる不思議なグローバル空間となった。

 

▶ミレニアル世代の風景をアートと融合する

 またアートワークもMOXYブランドをステージングする特徴の1つだ。街中にある"park"や"open square"のようにミレニアル世代が自由に集うこの空間には、ただ飾り付けたようなアートでは物足りなかった。この空間には、まるでこの場から見える風景のように景観や建物と一体となり、かつそれらがミレニアル世代の少しとがった主張として社会に溶け込もうとしているような熱いアートが欲しかった。そこで地元で活躍するアーティストたちの協力を得て、ストリート感のあるグラフィティやインダストリアルなアイアンワークを使って、熱のある『シーン作り』をテーマに共同で作りあげることにした。

 大阪ミナミの熱とMOXYの遊び心のある熱。OSAKA HONMACHIはこの2つの熱が融合して出来たホテルだ。もちろん使い方は利用するゲスト次第。日中は集中したいビジネスシーンにも、夜はエキサイティングなミナミの街を楽しんだ後にも、最後まで熱を冷ますことなく大阪の一日を過ごすことが出来るだろう。

 

▶ミニマムでありながら多機能化で個性的な部屋へ

 MOXYホテルのターゲットは前述した通り、宿泊よりアクティビティに重きを置き、よりそちらに時間やお金をかけたい層である。よって滞在中もゲストが部屋に閉じこもることのないよう、パブリックスペースを充実させている。一方ゲストルームは決してラグジュアリーではないものの、その分より機能やフレキシビリティに配慮し、同時に雰囲気のある空間づくりにこだわっている。

 例えば「ペグウォール」というハンギング機能付きの壁だ。MOXYホテルに宿泊する行動派のゲストたちは、洋服だけに限らず携帯するものは出来るだけ手元に出しておき、直ぐに使えるように整理をしておきたい人たちだ。ちょっとした上着、替えのスニーカー、傘、エコバック・・・そういったものは多数ある。これを滞在中に毎回スーツケースに出し入れするのは面倒だし、かといって据え置きのワードローブや引き出しの中では使いづらい。MOXYホテルの場合、これらを横に連なる「ペグ」と呼ばれるフック付きの壁に自由に掛けることが出来きるのでとても便利だ。設置している家具でさえ部屋を広く使いたいのであれば、折りたたんで壁に掛けておくことも出来る。これはどこに何があるか一目瞭然なだけでなく、見た目としてもお気に入りのギアが壁一面に並ぶ光景となり、それぞれがまるでこれから始まる冒険の「しおり」の様でとても楽し気だ。ところでこれは、扉や複雑な装飾を施さないことで建設コストを抑えるという意図もある。

 またバスルームは潔くバスタブをなくし、代わりに一人では広すぎるぐらいのセクシーなガラス張りのシャワールームを設置した。洗い場のないバスタブを設けるぐらいであれば、いっそのこと余裕のあるシャワーブースの方が開放的だし、床がフラットな分却って使い勝手が良い。見た目もオフホワイトの磁器タイルの壁にビンテージウッドの床と、一見新しい素材はないようにも思えるが、シンプルで無骨なアイアンワークと合わせることで少し時を経たようなクラシックな雰囲気を生み、味のある空間に仕上げている。

 

▶個性的で自由本坊、型に収まらないホテル

 ところでMOXYホテルのブランドに求められるゲストルームのデザイン的要素は大きく分けて3つある。インダストリアル、ボヘミアン、ローカルだ。

 まず始めのインダストリアルであるが、今のところMOXYホテルではこの要素が最も強い。これはいわゆるBauhausのようなミニマルな機能美的な工業デザインとは異なり、ブルックリンスタイルのように手に入る素材をうまく再利用し、それがデザイン的にも機能的にも華美にならず、少し雑なぐらいが雰囲気があって良いという感じだ。よって大胆で荒さのある少しクラシックなテイスト感が求められた。

 次にボヘミアンという要素だが、これは単にジプシーや民族衣装的なファッションということではなく、ノマドワーカーのように固定概念に囚われない「自由奔放」さを意味するものだと理解している。よってこの言葉が持つどこかファームのようなルースな片田舎感はなく、より大胆な個性を求めているのだと解釈した。今後よりエキサイティングな冒険的要素が色濃くなって行くかもしれない。

 最後にローカルという要素だが、これは今回の客室の方にはそれ程強く求められなかった。しかしながらミレニアル世代に共感を得るには「パーソナリティの表現」は欠かせない。ブランドガイドラインでは、この世代の派手で一見ハレンチとも言えるグラフィックやビビットなカラーアイテム等が推奨されていたが、日本の慣習にはマッチしないのではという懸念から見送られたこともあり、代わりに楽器などエンターテイメントの要素が採用された。ここは大阪とマッチする自己表現の場としてさらに発展が考えられる。

 最後にこれからMOXYホテルを利用しようとする日本人のゲストにひとこと。このホテルはある意味これまでのホテルとは異なり非日常である。日常の中で自分自身は変わることがない。もちろん旅に出ても大阪ぐらいの距離ではそれは一緒かもしれない。でもここはヨーロッパ生まれのホテルだけあり、国内でありながらイマドキの欧米スタイルを感じられるはずだ。こんな中に身を置けば、きっと海外に行った時のように普段は体験出来ないことや、ひと時の間でも自分以外の自分になれるチャンスがあるはずだ。よそ者扱いされない海外があるとしたら正にこういう場であると思う。宿泊だけに限らず気軽にバーに足を踏み入れて、出会う人たちと一緒に新たな自分を発掘して貰いたい。

 

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